プリンターが止まる理由
エプソンのインクジェットプリンターは、意図的に少しずつインクを捨てています。ヘッドクリーニング、新品プリンターの初期インク充填、縁なし印刷のたびに、本体内部の吸収材(廃インク吸収パッド)にインクが送られます。
本体の中に、パッドがどれだけ濡れているかを測る仕組みはありません。代わりにプリンターは、パッドに送ったインクのおおよその量を数えています。このカウンターが工場で決められた上限に達すると、プリンターは印刷を止めてサービスを求めます。インクが本体の外に漏れ出す前に止める、という考え方です。
同じ状態でも、表示は機種によって違います。
- パソコン上:「廃インク吸収パッドの吸収量が限界に達しました。」や、英語の “Service Required”。
- 画面のある機種:E-11 や E-12 などのエラーコード。
- 画面のない機種:2つのランプの点滅。
どの場合も、カウンターが上限に達したという意味です。上限に近付くと、「廃インク吸収パッドの吸収量が限界に近付いています。」と事前に表示される機種もあります。
カウンターとパッドは別物
プリンターが保存している数値は廃インクカウンター(英語では waste ink pad counter)です。この2つは別物で、混同するとプリンターを傷めます。
| 部分 | 何か | リセットで変わること |
|---|---|---|
| カウンター | プリンター内に保存された数値 | 0% に戻る |
| パッド | インクを吸った本物のスポンジ | 何も変わらない(インクは残る) |
プリンターは数えているだけなので、上限には安全のための余裕があります。初めてメッセージが出た時点では、パッドがまだ満杯でないことも多く、カウンターをリセットして使い続けても通常は問題ありません。問題なのは、何年もパッドを一度も見ずにリセットを繰り返すことです。インクはたまり続け、本体の底や電子部品に漏れることがあります。
選択肢
| 方法 | 費用 | かかる時間 |
|---|---|---|
| VNIT Reset Tool で自分でリセット | 無料お試しのあと、完全リセット1回 US$6 | 約5分 |
| 修理店でパッドを交換 | 地域の修理料金 | 通常は数日 |
| プリンターを買い替える | 新品プリンターの価格 | — |
エプソンはパッドの交換を正規の修理サービスに依頼するよう案内しています。保証期間中なら、まずエプソンに相談してください。
VNIT Reset Tool でリセットする
- ソフトをダウンロードして解凍し、
VNIT_Reset.exe(Mac では VNIT Reset アプリ)を開きます。 - USB ケーブルでプリンターをつなぎ、電源を入れて Read counter をクリックします。各カウンターがどれだけたまっているか分かります。ここまでは無料です。
- カウンターが 90% 以上なら、無料お試しを使えます。カウンターが 80% に下がり、エラーが消えます。プリンター1台につき1回です。
- 0% までの完全リセットには、キーを購入してソフトに入力します。
- プリンターの電源を切って、もう一度入れます。 新しいカウンター値は再起動後に読み込まれます。
ソフトの表示は英語です。ここで出てくるボタン名はそのまま英語で表示されます。
メンテナンスボックス搭載機
新しい機種の一部には、固定の吸収パッドがありません。代わりに、チップ付きの交換式メンテナンスボックス(C9345 や T04D1 など)に廃インクをためます。この場合の解決策は、新しいボックスに交換するか、チップリセッター(ボックスのチップをリセットする小さな器具)を使うことです。新しいボックスは空の状態から始まり、メッセージは消えます。チップリセッターはボックスを空にはしないので、吸収材が満杯でないボックスだけを再利用してください。パソコンのソフトではこのケースは解決できません。何か買う前に対応機種を確認してください。
リセットをやめてパッドを見るべきとき
次のどれかに気付いたら、パッドの手入れをしてください。
- プリンターの下の机にインクが付いている。
- 用紙の裏にインクの汚れが付く。
- ヘッドが待機する位置の近くが濡れている。
- リセットしてから数日でエラーが戻る。
リセット後のパッドの手入れで、洗浄、交換、外部廃インクタンクの取り付けについて説明しています。
参考資料
- エプソン FAQ(日本):「廃インク吸収パッドの吸収量が限界に達しました。」
- Epson US:“Service Required” メッセージとサービスの選択肢(2026年9月29日確認)
- 当社修理工房の記録 — お客様のプリンターのカウンター値とパッドの状態